杉 並 の 風 


                「成都と青いケシを求めて」
           
                  副代表世話人 渡邊美穂子

            

 
標高4,000m、巴朗山北斜面・バスを降りた15名はいっせいに駆け出していった。思い思いの方向へ。

 「あった!」思わず大声をあげた。岩礫の岩影にひっそりと気品に満ちて青いケシは咲いていた。高鳴る胸で花と向き合う。とうとう会えた幻の青いケシ。限りなく青い花びら、何者をも寄せ付けない様なトゲのある茎・葉そして蕾、「ここにもあった!」「こっちにも!」次々に歓声があがる。
 どの顔も喜びに輝いていた。成都へ戻る最後の日であった。

 長い間の夢であった中国・四川省・四姑娘山への花旅。雨期を覚悟の七泊八日の旅であったが全てがうまくいった。めったに姿を見せないという四姑娘山はその神々しい四峰を惜しげもなく見せてくれ、赤・黄・紫のケシの群生・湿地帯一面に広がるピンクの桜草・リュウキンカの黄色い絨毯等々色とりどりの高山植物が青空と雪山と若草色の山肌を背景に咲き乱れ、まさに桃源郷であった。

 高山病との闘いに打ち勝ち全員無事に旅を終えられ感謝・感謝。15名の目に焼き付いた気高いブル−は永遠に色褪せることはないであろう。

                      (撮影:松原軍次君 & 麦倉利司君) 

      
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