ロングステイのすすめ
(ニュ−ジ−ランド滞在体験から)
青柳信郎(34 経)
暇になったら何処か海外の適地でノンビリとロングステイ(長期滞在)なるものを楽しみたいなア−と漠然と思っていた私が、大橋巨泉氏の著書「巨泉−2、実践・日本脱出」に出遭ったのが具体的に取り組むきっかけとなった。彼は、冬はニュ−ジ−ランド(以下NZと記す)、夏はカナダと渡り鳥のごとく温暖な地を求め移動し、快適な人生をエンジョイしていることが記されている。
また同時に、その著書の中に、同好の仲間が集まっている「ロングステイクラブ」という非営利団体があることが紹介されており早速加入した。同クラブは経験者による世界各地のロングステイヤ−のための生活ノ−ハウが集積されていて、現地に赴いた時には滞在中の仲間が親切に面倒を見てくれる慣わしになっている。しかも、年金の範囲内で生活することを目標としているから助かる。 さて、ロングステイの地を何処にしようか?世界の色々ある候補地の中でも、治安、衛生 (水道水がうまい) 物価および 使用言語の点から、暖かいNZが最高だと決めた。
仕事の区切りがついたのを機会に、この1月より1ヶ月間の予定で実行に移すことにした。今までのグル−プツア−と違って、手造りの旅行は、旅行中は勿論、その前後も楽しめると良く言われる。特に旅行前は航空券、宿、及びレンタカ−等の手配を全て自分でやる訳だが、これがまた楽しい。この過程で世話になったのはPCのインタ−ネット機能だ。これをフルに活用すれば居ながらにして旅を作り上げることが可能になっていることを実感した。 特に宿、我々は専らモ−テルを利用したが、 NZ観光局から「Where to stay」Guideを貰い、殆どホ−ムペ−ジを持っているのでそこにアクセスすると写真をふんだんに使った情報が入手出来る。値段交渉もサイトを使って行う。何回かやり取りしていると宿の主人に親しみを覚え、現地で実際に会うと会話が弾むようになる。格安航空券の各社比較も出来るし、レンタカ−も写真で確認できる。全く便利な時代になったものである。
それではここで我々の具体的な旅程を少し紹介させていただこう。一ヶ月の半分は南島での最大の都市クライストチャ−チに滞在し、あとの半分は南島内の自然が素晴らしい地を選びドライブすることにした。
 クライストチャ−チ市内には日比谷公園の15倍はあると言われる大きな公園があり、中に植物園、テニスコ−ト、ゴルフ場等があり、歩いていける距離の所にモ−テルを手配し最大限楽しんだ。現地の人との交流できる機会はテニスだ。シニア−の時間帯が決まっていてその時間に行くと、マネ−ジャ−が適当に組み合わせしてくれる。終わればビ−ルを酌み交わし雑談する楽しい一時だ。またクライストチャ−チはガ−デン・シティといわれ、2月に行われる花祭りで有名だ。期間中花で飾られた美しい庭園めぐりを、マップ片手に車で回った。その数、10箇所に及んだ。
一方、ドライブは、2週間で 7ヶ所の観光地を廻り合計走 行キロは実に3千キロに及んだ。わが国ではとても考えられないが観光立国NZは道路事情がバツグンによい上、車の数が少なく一日4百キロも走れた。ドライブしながら自然の景観を楽しむことは勿論、滞在地ではリュックを担いでにぎり飯を持ってハイキングを楽しんだ。夕焼け、朝焼けが実にきれいだ。また、暗くなればなったで、満天の星を楽しむことが出来る。銀河の中の南十字星を星座図片手に見つける事も割合簡単だった。
長くドライブしていると色々なことにぶつかる。パンクやバッテリ−切れ、はたまた砂地にはまり動けなくなったこともあった。困っていると、現地の人がまるで自分のことのように一生懸命助けてくれたのには感謝感激だった。
 中には一日中なにも予定を決めず部屋でボケ−ッとすることもあった。本を読んだり、景色を写生したりして過ごす。このような時間は中々海外旅行では味わえない。ロングステイなればこそだ。このようなスロ−ライフを楽しむ旅は一度やるとはまると言われるのはよく判る気がする。また来年もNZを訪れてみたい。出来ればもう少し長めの。もしご興味のある方はロングステイクラブのHP http:/www.longstayclub.org にアクセスしてみて頂きたい。
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