杉並フィルハーモニー管弦楽団と私
高和哲郎(昭40商)
(杉並フィルハーモニー管弦楽団2代目団長)
 
 10年前、娘が持ち帰ったカルチャーセンターの案内を何気なくめくっていると、日曜オーケストラなる講座が目に入った。
 大学に入学してから楽器(フルート)を始め、恐れ多くもワグネルオケの末席を汚した私。定年を間近に控え、リハビリもかね、またオケの楽しみを享受できるチャンスと即カルチャーの門を叩いた。
 講座には20数名、楽器編成は、チェロ1人、ヴィオラ1人、ヴァイオリン数人、フルート5人、その他管楽器。このような編成で、シュ−ベルトの未完交響曲の一部を低音部をピアノでカバーという形で練習。合宿風景
一年ほど過ぎたとき、受講生から独立の話が持ち上がり、練習会場として桃二小学校の体育館を確保した。問題は指導者。運良く日大芸術学部の永濱幸雄教授にボランティアで指導していただけることになる。
(永濱先生は永年、塾の応援指導部吹奏楽団を指導、また数少ない特選塾員でした)
 平成8年1月14日暖房設備のない極寒の体育館で熱き思いで第一回の練習。
永濱先生のお計らいで、日大芸術学部の杉山さゆり先生に弦トレ兼コンミスでご指導いただき、平成8年12月1日杉並公会堂で創立記念演奏会を開催、杉並で始めてのアマチュアオケとの事で公会堂が満員となる。
 2,3回は神足勝英氏(東京ガス吹奏楽団指揮者・塾工学研究科)の指導を受け、また塾との縁を感ずる。
 第4回目はベートーベンの第九交響曲を実力も考えず、区内で合唱団を募集して実施、成功裏に終わる。
  これまで、チャイコフスキーの5番、6番、ベートーベンの3番、5番、7番、9番、ドヴォルザークの8番、9番、ブラームスの1番、2番等
振り返ってみると、一部の作曲者に偏った選曲になっている。毎年選曲会議にはいろいろの作曲者の曲が出てくるが、やりたい曲と出来る曲はかなり乖離しており、選曲には苦労している。
 アマチュアオケでは、人数、技術、楽器編成、予算から制約され、来年の曲決めもこれから頭が痛い。
 杉山先生とのご縁で、クラリネットの大御所の北爪利世先生にもご指導いただき、先生から貴重な体験談を拝聴できたことは、団員にとってまたとない財産となったが、永年ご指導いただいた北爪先生、永濱先生がご逝去され、杉並フィルは新たな10年を迎えようとしている。今年第11回は、新しくなった杉並公会堂で、独立記念演奏会で演奏したドヴォルザークの新世界交響曲をメインに、12月23日(木・祭日)開催を予定している。
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