防犯パトロール  “ご近所付き合い広目隊”
嶋野 寛(S48 商)
ご存知でしょうか。 
杉並区は世田谷区と並び、都内23区の中で最も空き巣の発生件数の高い区なのです。
2003年4月からの番組改正でNHKが『難問解決・ご近所の底力』という番組を始めましたが、この番組の最初に取り上げられたのが、杉並区の中でも空き巣被害の多い旧馬橋地区の空き巣問題でした。
馬橋地区はJR中央線の高円寺・阿佐ヶ谷間の南側でJR線路から青梅街道を越し、五日市街道に至る地区の昔の地名です。現在は概ね阿佐谷南、高円寺南、梅里に当たります。
番組では住民として、解決に向かって何ができるのかがテーマであり、その第一回のご近所の底力で産声を上げたのが、 “ご近所付き合い広目隊”という民間防犯パトロール隊です。
防犯隊といえども素人の住民の集まりですから、犯罪を見つけ捕まえるのが目的ではなく、活動を通じて、犯罪を抑止することが目的になります。
したがって、その活動はパトロールのみならず、クリーン清掃、放置自転車追放運動、声かけ運動、バザー、お花見会などの地域の連帯を高めることが主な内容です。
細かくは、地域を6地区に分け、各チームが強制ではなくそのときに参加できる人たちだけで1時間ほど行き逢う方々に声をかけながらのパトロールをし、併せ、違反広告物の除去、清掃などを行い、季節ごとにモチつき会、お花見会、バザー、クリーン作戦などを行っています。
犯罪者は見られることを嫌うといわれており、ご近所同士の声かけが隣近所の付き合いを深め、“お隣は何する人ぞ” の都会の弊害をなくし、そうした地域の目ができることにより、まさに犯罪に狙われにくい街になっていく、との考えから始められました。

NHKで放送された事もあり、行政(警察、区)の治安回復計画との連携プレーも行なわれ、その成果として犯罪件数も減少傾向にあります。
また防犯活動の先駆として注目され、区内各地区に100を超える同様の防犯隊が生まれているようです。

私自身、馬橋に生まれ育ち、転勤等ありましたが、人生の大部分を過ごしてきた梅里にある種の郷土意識を持っていたこと、またNHKの番組に参加し“広目隊”の設立に携わるなかで、近所で多くの方が空き巣被害にあわれ、なかには二度三度と被害を受けられた方もいた事(決して稀な例ではないようです)などを新ためて知り、ごく自然なカタチで“広目隊”のパトロール等に参加しました。
ただ、会社勤めをしているので、原則として週一回・土曜日に参加しておりますが、今まで近くに住んでいながらどなたかも知らなかった方々と、パトロール・その他の活動を通じ知り合い、サラリーマンをしていると仕事関係以外になかなか付き合いができないものですが、ご近所に新しい知人の輪ができてきたようにも思えます。“広目隊”設立後 2年ほど転勤で活動を中断しましたが、帰任後ご近所仲間の方々の暖かい歓迎をうけ、再び“集い・駄弁る・たまには一杯”などを楽しみながら、この活動を続けています。 

実際のところ、隊のメンバーの多くの方々は女性であり 男性が少ないこと、中でも現役世代の男性が少ないことが現状です。多くの方に無理のない範囲でいいので参加していただき、この輪を広げ、より活性化につながればいいと思います。

杉並区に100を超える防犯隊があるそうですから、是非、ご近所の活動に皆様も参加ください。
杉並署管内空き巣発生状況
・  外出時には施錠を確認
・  雨戸を閉め、鍵をかける
・  窓には防犯グッズを取り付ける
・  不審な人を見かけたり、ガラスの割れる音を聞いたら、110番を!

杉並警察署
相談連絡先(生活安全課 防犯係)
電話 03-3314-0110

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