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「備えあれば憂いなし。」
地震対策はしていますか?為になる地震対策講座です。

地震対策コラム
横塚 克明(S55 経)
最近やたらと地震が多いですね!能登半島、パプアニューギニア、三重と立て続けです!ユーラシアプレート境界が特に“地震活動期”に入った可能性が高いと言われています。
日本はユーラシアプレート・北米プレート・フィリピン海プレート・太平洋プレートの4つのプレート上にまたがっています。地震の発生原因は2つあります。一つはプレートのぶつかりによる境界付近の岩盤の破壊。もう一つは活断層によるものです。特に活断層地震は震源地が近いため直下型大地震につながります。阪神大震災は野島断層が震度7を引き起こしました。そして杉並区は近くに立川断層があるため、直下型の震度7に備えるべき地域です。
今年はイノシシ年です。過去にはイノシシ年には震度7級の大震災が起きています。関東大震災も阪神大震災もイノシシ年です!今年は最悪の事態に備えるべき年と思われます。

震度6弱以上或いは震度7の大地震が襲って来た時、次の5つの対策を心がけて下さい。

A、大地震対策5つのポイント
1、自分の家を倒壊させない!:1981年以前に建てられた耐震旧基準は耐震診断と補強をして下さい。木造住宅が倒壊すると漏電が起こり火事を出しやすくなります。また倒壊家屋は道路を塞ぎ避難行動にも消防活動にも迷惑をかけます。マンションでは一階が駐車場等のピロティ柱及び独立柱は旧基準では30%以上が潰されています。たとえ一本でも補強して下さい。大黒柱が潰れなければ倒壊しませんし、後に改修工事も容易です。
2、逃げられるようにしておく!:先ずは家具の下敷きにならないようにして下さい!寝室には家具は置かない、照明器具が寝床の頭の真上に来ないようにして下さい。更に玄関ドアが重要です。杉並区は火事が怖い。閉じ込められたら大変です。特に子供や年配者はドアが開けられなくなります。ドアは耐震壁でなく弱い雑壁に付いていますのでドア枠が変形してしまいます。既存のドアを簡単に耐震ドアに替える装置があります。
3、家族との連絡が出来るように!:避難場所は今から決めておいて下さい。連絡つかない場合171ー1自分の電話番号で伝言。171ー2相手の電話番号で伝言を聞けます。あいつがいない(171)と覚えて下さい。
4、3日間の水、トイレ、食料、停電の備えを!:東京は3日間助けが来ないのではと言われています。自分の家族人数に応じた防災グッズを身近に置いて下さい。また、生活には何でも電気が必要です。しかし電気がくるまでに3日かかります。太陽光発電と蓄電システムを導入すれば自家発電が出来、自分の家で過ごせます。
5、震災後の生活にも損害を最小限に!:地震保険に入っておいて下さい。被災後もゆとりある生活を送りたいものです。地震の火事は通常の火災保険では免責です。通常の地震保険は火災保険の半額まででセットで入りますが、火災保険と切り離した地震保険だけの手軽なものが登場しています。但し1981年以前(旧耐震基準)に建てた住宅は耐震補強をしていることが条件です。

簡単に述べましたが耐震補強のポイントについてもう少し述べてみたいと思います。
B、耐震補強のポイント
B−1、ビルやマンションの場合:まずは生存空間確保することが重要です!費用のかかる大掛かりな耐震補強よりも、まずは避難する際の動線を考え、そのルートにある柱を補強することです。建築の場合、大黒柱がつぶれるとその他の柱もやられてしまいます。一つの方法としてSRFという高強度繊維で柱をテーピングします。補強は一本の柱からできます。出来るところから始めて、余裕があれば本格的な耐震改修工事をして下さい。


B−2、木造建築の場合:倒壊を防ぐのに制震という技術が効果大です。制震技術は車のショックアブソーバーの原理で装置が地盤のエネルギーを吸収します。キラーパルスという言葉をご存知ですか?3月25日能登半島で地震がありましたがキラーパルスが影響しているのではと言われています。地震は人を殺しませんが家屋の倒壊で死に至ることがあります。地震の揺れ(振動)は大きく分けて5種類あります。最も有名なものが長周期振動ですがキラーパルスは5種類の内、丁度真ん中にあたり、約1秒に一回程度の振動です。地震時には地盤と建物に固有周期という波が生じて、この波が同程度の周期であると重なり増幅して想像以上大きな地震波となります。制震という技術は振動が大きくなればなるほどブレーキをかける性能が高くなります。だから効果大です。制震の解析は時刻暦応答解析といい、現実に過去に起こった阪神大震災や八戸地震やエルセントロの地震波を個別の家屋に入力し、倒壊しないための補強設計をします。施工は一つの方法としてハイブリッド制震というパネルを壁にはめ込みます。高い技術でありながらコストが安いのが特徴です。
ハイブリッド制震装置
大きな波(ピンク)が制震装置で小さい波(青)に減震

重い屋根を軽くする。柱と基礎が抜けないように金物や高強度繊維で補強することも有効です。
施行例
仕上げ前 仕上げ後
最後に
自助努力(自らの安全は自分で守る)と共助(地域レベルで防災力を向上)で減災に努力しましょう!


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