シンポジウムはワインで盛り上がる
前田昌信(S35工)
シンポジウムとは何だ。集まって何か相談するというので会議(談合とは・・一寸ニュアンスが違うようだ)、邦文では、複数の国の人が集まって開催する場合、国際会議と重々しく訳している。参加して発表してきましたと言う報告書に記載するには偉そうで、よろしいようである。国際と銘打つ場合、英文で書かれているのが殆どで、それを見るとConference, Congress, Symposium, Meeting など使い分けている。
真面目な顔して座長、
横にはリスボン大学学長、元文部大臣デユラオ教授
休憩時間の会場にて


シンポジウムの語源は古代ギリシャ語の「客を招いて酒を飲み交わす」事、饗宴(symposion)に由来する言葉で、哲学者プラトンの対話編『饗宴』にその様子が描かれているという。気軽に集まるには「シンポシウム」の語が好んで用いられている。我々も会場での難しそうな話を終え、スーツとネクタイを取って木陰で乾杯としよう。
シンポジウム中日の遠足でグラーツ大グラッター教授夫妻と
昔のオーストリアどぶろく、地ビールで一杯


シンポジウムの学問的評価を得ると同時に、財政的にもバランスさせるには、研究者、ならびにその関係者の参加費が財源であり、共同研究者まで引き付ける必要がある。邪道と言われるかもしれないが、シンポジウムの語源、「饗宴」を生かし、各国回り持ちで風光明媚なワインの美味しい場所で開催する事が多い。ソレントでは会場のデスク受付嬢がまぶしかった。叙事詩ホメロスに登場するトロイアから帰国するオデッセウスがシレーネ(サイレンという魔女)に遭遇するのがナポリ湾というから、3人は魔女だったかもしれない。
美女群のいたナポリ湾に面したソレント、ソレントから見たベスビアス山
ソレントシンポジウムで
ナポリ湾に浮かぶカプリ島に閉じこもって討論会もなかなか好い。
 
研究者にとっては会場で機会を捉えてのお喋りが楽しく、ふらふら昼間から出歩く事は少ないが、日の長い夏の夕刻、アフターセッションを楽しむべく、気さくなメンバーを誘って一杯飲みにゆく。行く先々では、現地の大学の先生の造詣の深い歴史的ポイントへの案内、説明、更にアフターシンポジウムに脚を伸ばして訪問する土地では他の旅行では味わえないサプライズが待っている。
コルマール・フランス サンクトヴォルフガング・オーストリア グローズグロックナーの山塊で
サウンドオブミュージックの世界
 

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