鳥になって空中散歩
野本 和男(S38経)
足が斜面を離れ、身体がフワ−ッと浮く、林、水田、人家が目の下に広がる、懸命に上昇風を探す。高度計の上昇音が鳴り出したらしめたもの、その風をはずさないようにタ−ンを繰り返す。地上のものがだんだんと小さくなる、鳥になった瞬間だ。
山歩きをした折りなど、頭上をフワフワ飛ぶパラグライダ−を幾度か見かけ、私も飛んでみたいなと思っていました。仕事から離れ、タップリ過ぎるほどの自由時間を持った4年前にスク−ルに入校し、60の手習いでパラグライダ−を始めました。
はじめのうちはテイクオフからランディング場まで飛ぶだけで満足でしたが、次第に「高く上がりたい、長時間のフライトをしたい」、次には「ホ−ムエリアだけではなく他のエリアも飛んでみたい」と欲が出てきます。目に見えず、とらえどころの無い風を必死で追いかけ上昇を試みます。その日に集まった仲間で一番高く、あるいは一番永く飛べればバンザイです。北海道の雄大な地平線、北関東の険しい山並み、浜名湖の開けた眺望、台湾のパイナップル畑と深いジャングル、皆スク−ルのツア−で出かけた初体験の地です。
パラグライダ−の楽しさはもちろん空を飛ぶ爽快感です。地上1000mにもなると速度感が無くなり、空中に止まっているように感じます。異次元の世界です。また上空からの景色も魅力です。特に初めてのエリアでの眺めはいつでもワクワクします。しかし一番は<刺激的>なところでしょう。大きな揺れを感じれば「いざ、という時はこれだな」と緊急パラシュ−トを確認、とってもスリリングな気分です。
パラグライダ−は、時に翼が潰れたり予想外に沈んだりした結果、樹上に不時着したりしますが、リスクはそんなに高くはありません。スカイスポ−ツの中ではもっとも安全と言われています。小学生から80歳まで誰でも楽しめ『それなりに安全で、楽しさは最高』これがパラです。パラ仲間になりませんか。

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