もっと知りたいイギリス〜セント・アンドリューズ
藤森 靖允(S40商)
会社時代、ロンドンに駐在したこともあって、イギリスはわたしにとって関心の高い国である。街には歴史が残り、田舎にいけば冬でも緑の田園が広がる。大人の国。奥は深い。懐かしさと興味から、退職後はここ4年ほど、毎年夏にイギリスを旅している。
 
この夏、初めてスコットランドのセント・アンドリューズを訪れた。エディンバラから列車で東に1時間ほどいった海岸沿いの町である。スコットランドの守護聖人である「セント・アンドリューズ」の名がそのままつく町。もちろんゴルフ発祥の地として名高いが、廃墟の教会や城があって、すこぶる歴史臭い町だ。 
13世紀に建てられたセント・アンドリューズ城 16世紀に破壊されたセント・アンドリューズ大聖堂

ゴルフ場で、一番由緒のあるのが「オールド・コース」。リンクスである。リンクスとは海岸沿いの起伏に富んだゴルフ・コースをいう。ラフはぼうぼう。フェアウェイには、バンカーやこぶが目立つ。ゴルフ場のイメージが変わる。対面したホールもあるし、ホール内には、時として人や車が通る道もついている。コース沿いにはホテルが建っているし、グリーンの脇には車が止まっている。風も強い。霧も出る。自分の腕を考えると、危なくて、ここでゴルフをする心持にはならない。 
セントアンドリューズ・リンクス スライドショー
スコットランドはもともとカトリックの国。16世紀、カトリックの堕落に、ジョン・ ノックスが宗教改革に乗り出す。「長老派教会」とも「チャーチ・オブ・スコットランド」ともいう新しいプロテスタント教会を設立する。この改革で破壊されたのが、カトリック系の「セン ト・アンドリューズ大聖堂」と「セント・アンドリューズ城」だ。今は廃墟になって、 塔と外壁だけが宙を突く。芝生がいっそう緑を増して見える。 
この町には、「セント・アンドリューズ大学」がある。ウィリアム王子もこの大学に通ったと聞く。人口5万人のうち8000人が学生であるというから、街に若者は多い。セント・アンドリューズは、学生の町でもあった。
セント・アンドリューズ大学の一部であるセント・サルバドル塔

   

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