父と娘で歌うヴィエントコーラス
臼杵 洋三(S38工)
ある練習日、第一回発表会の予定がアナウンスされた。準備のための担当が決まり、練習にも熱が入る。その日の晩、家内と娘の前で「こんど発表会をやることになったんだけど聴きに来る?」と、どうせ興味はないだろうと思いつつ聞いてみると、二人からの応答は意外にも「行くよ」「行くわよ」との前向きの返事。これは本気で言っているのかなと訝りつつも、そういえば娘のピアノの会には毎回聞きに行ったからそのお返しに義理で来るわけかな、などと思ったりした。
発表会も近づいてきて、暗譜にあせりを感じ始めたころ、二人から「パパの発表会はいつだったっけ?」との質問。「おっ、これは本気で聴きに来るつもりなんだ」と知って練習にも力が入る。
杉並三田会へは、「別に杉並在住でなくても大丈夫だから」と言う一言に誘われて入会。総会にはじめて出席したときがヴィエントの歌声を聞いた最初であった。まさかヴィエントに入ってコーラスを歌うとは思ってもいなかったが、すごくいい先生だからと勧められ入会。先生が指導下さる発声練習をやるたびに知らなかったことばかりに驚愕、正に目から鱗の連続であった。すっかり歌うことにのめりこみ、ついに迎えたのが先ほどの第一回発表会。
二人の感想はどんな具合かと聞いてみると意外に好評、これに気をよくして娘に「君もヴィエントに入って合唱やるかい?とにかく素晴らしい先生だから」と同じく慶応出身の娘に水を向けるとなんと二つ返事で「やる」というではないか。
こうして父と娘で歌うヴィエントメンバーが誕生した次第。日常生活では一緒に過ごす時間は少ないが、二人の共通の趣味がいくつかあることからすれば、父と娘の関係としては良い方なのだと思う。左にある乗馬は娘が先行して始めて父親が誘われてジョインした。今度のヴィエントはその逆であるが共に声を張り上げコーラスを楽しむことが出来て親子の絆も深まり、本当に良かったと思う。


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