ウクレレソロの魅力 |
山田 義範(S33経) |
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みなさん、ウクレレと聞けば、和音でリズムを刻む伴奏楽器だと思っておられるでしょう。ところが今や、それは単独でメロディーを弾く演奏楽器になっているのです。
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灰田勝彦に師事し、今やウクレレソリストとして世界で三本の指に入る平川洌氏が、ウクレレソロ演奏者の養成機関として、インターナショナル・ウクレレクラブを結成したのが、今から十三年前のことでした。
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それまで、リズム主体の伴奏ウクレレばかりで物足りなさをおぼえていた私は、早速入門しました。ところがソロ演奏は、還暦過ぎの修行者にとっては、かなりきついものでした。なにしろ、反射神経は鈍り、弦を押さえる左手指は硬くなっていたからです。
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苦節十年。去る6月6日、大田区民ホールで第3回ウクレレソロコンサートが開かれ、私も参加しました。29人が出演しましたが、ほとんどが、しゃれたコード(和音)を楽しめるジャズやラテン、ポップスなどでした。
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私も映画『第3の男』のテーマ曲を演奏しました。ストーリーと音楽を再現します。 |
事件に「第3の男」が関わっているぞ、という怪しげな雰囲気の音響(イントロ)。悪党ハリーライム(第3の男)が登場する折の得意げな行進曲(テーマ)。ハリーが警官隊に追い詰められ地下の大下水構に逃げ込むあたりの遁走曲(第1ヴァリエーション)。追い詰められ被弾し諦めの境地になったときのメロディー(第2ヴァリエーション)。親友の止めの一発、そしてウイーンの中央墓地の葬送曲(再びテーマ)。そのメロディーとともに墓地から悄然と去って行くハリーの愛人アンナ……。
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このドラマと、アントン・カラスの衝撃的なツィターの響きを再現しようと試みました。
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ウクレレはソロ楽器としてかなり表現力があります。いまや後期高齢者に近づきつつある私も、もう少しこれを続けたいと願っています。
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