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慶応義塾SFCが拓く未来とその役割
 村林 裕(S51 商)
 
SFC(湘南藤沢キャンパス)が1990年4月に開設してから23年が過ぎ、今春3月には20期生が社会人となって羽ばたいていきました。1994年に卒業した1期生が41~42才という若者ばかりですが、起業をした者も多く、すでに社会にて影響力を発揮している人が大勢います。  
   オメガ館(大講義室棟)
 
         ガリバー池
開設当初より、9月入学があり、毎年2回新入生を迎えています。学力重視の入試制度改革を目指したAO入試制度の発祥の地であり、その後AO制度が全国に拡がり、そのうえで批判が相次ぎ撤退する学校が多発している現在、ますますSFCのAO制度は充実し、素晴らしい学生が門をたたいてくれていると感じています。したいことを明確にもった学生は、1年生から研究会に入会することが可能で、キャンパスは1-2年日吉、3-4年三田のように分かれておらず、大学院生さらには博士過程の研究生までが同じ研究室にいるため、18才の1年生が最初から30才過ぎの研究生と“同じ釜の飯をくう”ことも可能です。1年生の夏休みに海外のフィールドワークに行く姿は、これぞSFCと感激します。さらに、昨年ロンドンオリンピックでは卒業生1名を含む5名の選手が活躍をしました。彼ら彼女らが研究会でがんばっている姿はまさに文武両道を身体で示し圧巻です。
 こうしたSFCが25周年を機に、滞在型教育研究施設「未来創造塾」を開設します。(2015年秋予定)「施設」ですので、“ハコ”ではありますが、正しくは滞在型の施設を利用して、「教育」「研究」「研究を通じた教育」を行おうというものです。①学生が一定期間生活を共に、人との付き合いを学ぶ 
②多くの留学生を受け入れ、日常の生活を通じて世界への窓を開く ③海外からトップの研究者が訪れ、高いレベルの研究を行う ④卒業生・教員が学生と寝食を共にし半学半教を実践する
 SFCは、開設時から「問題発見、問題解決」を掲げ、「問題が与えられて、正解を教わる」ではなく、「何が問題なのかを考え、解決を創出する」人材の育成を目指してきました。
「インターネットを前提としたグローバル社会」を創る次の世代のリーダーを育てるためには、インターネット社会だからこそ、人と接する力が何よりも大切であり、「滞在型」の意義は大きいと考えました。
  研究施設のテーマは、「ヘルスサイエンス」と「デジタルものづくり」とする予定です。周辺まちづくりが「健康」をテーマに動き出し、相鉄いずみの線のSFC前までの延伸計画の実現が現実性をおびてきています。SFCは、「タウンキャンパス」をめざしています。まさに、地域の発展に貢献することが可能です。
 「SFCは慶應にあらず」と自他ともにいわれた時期がありました。SFC自身は「慶應義塾のために新たな挑戦が必要」と考え、外からは「SFCは慶應ではない」とみられました。SFCは慶應義塾の伝統のありがたさを感じ、外からはその挑戦が評価されてきています。「未来創造塾」を清家塾長は「慶應義塾のグローバル・ゲートウェイ」と称されました。卒業生による社中協力の実践の場とし、まさに「慶應義塾」を体現したいと考えています。「国を超えて人が集まる拠点をつくり地球の未来を築く人材を育てます」
 注) 「AO入試制度」、「未来創造塾」 の説明は、クリックしてご覧ください。
     




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