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ドロミテ山群の魅力
 久保田 宏 (S46 工)
 
 
この20余年間、ドロミテ山群(北イタリア・南チロル)に惹かれ何度もトレッキングに出かけています。それはこの地域独特の鋭く天を刺す岩峰に、映画“サウンドオブミュージック”さながらの牧歌的な草原とのコントラストの面白さに魅せられているからです。またトレッキングに欠かせない気持ちの良い山小屋、食事そして美味しいワインも魅力です。日本の山では、ごく限られたところでしか味わえない山の楽しさが、身近にあります。    
   放牧地の中のトレッキングコース
 
ドロミテ山群の広さは長野県位で、トレッキングルートが行きわたり、同じルート番号が地図と道標に書かれていて、迷うことなく歩くことができます。道標はこの地域の常用語であるドイツ語とイタリア語の二か国語表示です。 
 
ラテマール山を映すカレッアー湖    トレッキングコースからの岩峰群 
   
   
“山小屋”と聞くと、日本の山の中で見られる木造の粗末な小屋を想像するかも知れませんが、これが大違い。牧草地や岩峰の下に建った、明るい屋根、しっかりとした石造りで、イタリア山岳会が管理しています。 
 山小屋はレストランと宿泊の両方を兼ねたものが多く、夏は避暑地として大変賑わうところです。登山者は麓のホテルに滞在し、昼間はロープウェイなどを使って家族で登ってきます。
 
  牧草地に建つメルヘンチックな山小屋
   
山小屋に着くとレストランでゆっくりワインを飲みながらの食事、子供達は小屋の周りの遊具で遊び、大人は日光浴を楽しむ。日の傾くころ麓のホテルに戻って行きます。もちろん山小屋の夕食も充実しており、ボリューム一杯のイタリア料理、カプチーノにデザートまで付いています。トイレは例外なく水洗。内装はデザインの国イタリアだけあって洒落たものが多い。一番の驚きは山小屋の完全予約制。羽毛布団のベッドの個室でゆったりと眠ることができます。定員を超える飛込み客はロープウェイで麓まで下りるしかありません。
 
最後に登山スタイルについてですが、日本では20〜30人の団体登山は珍しくありませんが、ドロミテでは家族単位の登山が大部分で、団体登山は唯一イタリア陸軍の行軍に出会ったときのみでした。余暇の過ごし方の違いかもしれません。
 写真を眺めながら、まだまだドロミテに魅かれているこの頃です。
 




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