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ボランティアで、ヨルダンへ
 
 山田 不二雄(S38年 商)
 
 衝撃を与えたISによる邦人拘束事件のニュース、現地対策本部の置かれたヨルダンの日本大使館をテレビで目にして、7年前に訪れたアンマンでのタイトな2週間を思い出した。
  引退生活を楽しんでいる私のもとへJICA(国際協力機構)の知人から連絡が入る。
『アンマン商工会議所からコンサルティングの要望があるのだが、ヨルダンへ2週間、シニアボランティアとして行ってくれないか。財務、人事、生産管理、マーケティング担当の4人チームで、1週目は企業への巡回指導、2週目は公開セミナーを行なう』 という。
最初の反応はNO!  だが話を聞くうちに役に立つなら引き受けようか・・・と重い腰をあげることになる。
 テロに巻き込まれないようにと、アンマンでの宿は地元人中心の中級ホテル。アルコール類は無し(酒屋では購入可、黒いビニール袋入りで)、湯が出なかったり騒がしかったり・・・。 欧米人、イスラエル人の多く集まる場所には近づくな、窓際には寄るな、目立つな等の注意も受ける。
 専門家とはいえ俄かチームだし、海外で仕事をしていた者でもないので、打ち合わせや英語での質疑応答の準備など夜も忙しい。
シニアには結構ハードなスケジュールだった。
  参加者は政府機関、商工会議所、製造  業等多岐にわたった。
経営陣は欧米のMBA(経営学修士)取得者も多く、日本から何か学び取ろうとする強い思いを感じた。
 アンマンでのセミナー  
   
 息抜きは休日(金のみ)の遺跡見物。

*ジェラシュ遺跡
  アンマンから車で1時間弱、シリア国境との間にあるローマ都市の遺跡。ジェラシュはBC1世紀にローマの属州となり、その支配下で2〜3世紀に絶頂期を迎えるが、8世紀半ばの大地震で廃墟と化し砂に埋もれる。そのため保存状態がよく、神殿、劇場、広場、列柱道路等古代ローマの町並みをほぼ完全な形で残している。
 何本もの巨大な円柱が地震にも残ったのは免震構造になっているからだという。
 私も柱を押してみたが、13mの柱がゆらりと揺れるので驚き、納得した。 また遺跡の道標で右エルサレム、左ダマスカスと見た時は古代にタイムスリップしたような不思議な気分になった。
        
   
        ローマ劇場
 保存状態がよく音響効果もよいので、
 今でもフェスティバルに利用されてい
 るという(3000人収容)。
   
*ペトラ遺跡(世界遺産)
 死海とアカバ湾の間にある峡谷の、岸壁の奥に広がる都市ペトラ。遊牧民ナバテアによって紀元前後に拓かれキャラバンの中継地として栄えるが、海路の発達により衰退。7世紀には歴史から消える(発掘は未だ1割程度で多くは不明)。 峡谷の長さは1、5km両側の切り立った岸壁の高さは60〜100m。陽の角度により様々な色に変わる岩肌、遺跡のスケールの大きさが印象に残っている。
                        
 
       
          
 
         エル・ネバダ     シーク(岩の裂け目)
映画インディ・ジョーンズの舞台になった宝物殿。
薄暗いシークの先に見えてくる。  
  岸壁に押しつぶされそうな圧迫感がある。 ここを通ってペトラへ。  
 JICAの企画にのせられてのヨルダン行きだったが、アンマンでのコンサル、セミナーの評判もよく(その後会議所メンバーの訪日もあった)、得難い体験のできた密度の濃い旅になった。
 




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