私は 風に表情を感じる
風には 優しい風 さわやかな風 穏やかな風 心地よい風などと
冷たい風 激しい風 嵐のような風などがある
風は 時として きまぐれだ
私が 初めて風を感じたのは この世に 誕生したときだった
実に 暖かくて優しい その風を 私は 一気に吸い込んだ
そして 思いっきり「おぎゃー」の声と共にはきだした(これは推測だが)
それから 68年 今まで いろいろな風を 体験した
毎年 春の嵐 強い風と共に 暖かくなってくる
今年も そうだった 善福寺川沿いでは 桜が満開である
花を愛でる間もなく 風は花びらを 散らしてしまう
久我山あたりに 初夏を感じさせる風が吹くと
すぐに湿った風が 梅雨の季節を つれてくる
入梅は 水辺の花が美しい
猛暑でも 時には 浜田山あたりに 涼しい風が そっと吹くことがある
コーラスの練習の声が 風に乗って かすかに 聴こえてくる
高円寺の阿波踊り 滴り落ちる汗をぬぐう踊り子が ひんやりとした風が欲しくなる
秋の訪れと共に 大宮八幡宮の黄色く色づいた いちょうの夫婦葉が 風とたわむれている
落ち葉の季節が終わると きびしい冬の風が ときには
小雪と仲良く やってくる
風には 追い風と向かい風があるが 今になって思えば 私の人生は追い風の連続だった
アスリートの多くは 風を気にする
的確な判断は 積み重ねた経験からだろうが 風には 逆らわないほうが
良いようだ
人は苦境に立つと 風のせいにする 社会の風だ
2年5ヶ月前から 私に吹き続けている風は 実に心地よい
学生時代を思い出す 神田川の風 良き仲間を得て 楽しく風と舞っている
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