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杉並の風
      
 The sooner, the better
 最上 徹 (38 経)
近年「ボランティア」という日本語だか英語だか分からない言葉が普通に使われるようになっています。でもこれ、本当はどういう意味なんでしょうか。単に無償の重労働という意味なんでしょうか。
 「頭のいい奴は知恵を出せ。お金持ちは金を出せ。何もない奴は汗を出せ。できれば三つ全部出せ。出さない方がいいのは不必要な口だけだ。」
ちょっと乱暴ですが私が出した結論を端的に言えばこうなります。
 有名なキリスト教女流作家は言います。
「人間社会は所詮不平等、不公平にできているのだから、それを素直に受け止めて無理していい人振る必要はない。無いものを羨ましがらず、あるものに感謝しなさい」と。
 福沢諭吉は「学問のすすめ」の冒頭に述べています。曰く、
「広くこの世の人間社会を見渡すに、賢き人あり、愚かなる人あり、貧しきもあり、富めるもあり、貴人もあり、下人もありて、その有様雲と泥との相違あるに似たるは学ぶと学ばざるとによるなり」と。
 どうやらこの世の不平等は否定しがたいもののようです。しかし老齢の身で今から本格的学問をして賢くなるのはもう無理です。そこで諭吉が指摘するような愚かなる人、貧しき人にできる範囲で善行を実行するのが私の考える「ボランティア」です。余裕のある人間が、弱き人、貧しき人に対して優しくあることこそ「人道=人のあるべき道」ではないでしょうか。 
 
よく三田会の集会などで耳にする言葉があります。
「もう、会社仕事や子育てを終えたからボランティアでもして暇つぶしをしようか。」
自由時間を趣味道楽で楽しむのは大いに結構。でもそれではボランティアとは別の問題です。
 
 
  Discover Japanのガイド教育 
  気軽にもう少しだけ考えてみましょう。病人や障害者の介護、思いやり、災害罹災者の支援活動、自然環境保護活動、文化、芸能、スポーツの振興、国際親善活動などなど何かできそうな事は枚挙に暇がありません。いずれも非営利ではありますが健康体であれば可能な事はたくさんありそうです。でもこの善行を実行している積りが紙一重で「偽善」になってしまいかねないことには十分注意すべきでしょう。奇しくも「人、為、善」の漢字を寄せ集めると「偽善」という字に化けてしまいます。 
 日赤病院外来受付  
 そこで具体的なボランティア活動論を展開したいのですが、それはこの紙面では適当ではないかも知れません。憚りながら申し上げます。小生は長年の諸奉仕活動を認められて日本赤十字社より銀色功労賞を賜っていますので多少の知識、経験を持っていると思います。もし同調できる方がおられましたらいつでも個別に可能な範囲でご相談に乗りたいと考えています。善は急げ。「The sooner, the better」です。
  
   
 中国、台湾留学生仲立ち 被災地救援
 


 

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