私は2015年の秋頃から混声合唱団ヴィエントの女性会員からテノールの声が欲しいので入会して欲しいとの依頼を受けていました。色々と考えた末に2016年1月の練習から参加させて頂きました。
学生時代はワグネル男声合唱団に所属、男声合唱のハーモニーの素晴らしさを堪能していました。卒業後はソロで歌うことの楽しさを知ることとなり、素人集団の「ソロナルシスト会」に入りカンツオーネや、オペラアリアを楽しむ方向に傾注していきました。その頃は銀座、溜池などにありましたドイツビヤーレストランではプロ歌手が演奏した後にお客様に歌わせて頂けるコーナーがあり、足しげく通い、ビールを飲みながらカンツォーネを歌って楽しんでおりました。
その後、渋谷駅近くにピアノ伴奏で歌わせてくれる店の情報を得て、週に1~2回は通いだしました。その店のオーナーはプリンスホテルとの関係もあり、赤坂プリンスホテルを利用して毎年コンサートが開催されていました。私は第一回から参加させて頂き、大勢のお客様の前で歌わせて頂く魅力に取りつかれました。
定年間近になった頃、声楽の先生について本格的に歌のレッスンを受けてみたいと考えるようになりました。そんなある日、そのお店で武蔵野音大を卒業し、ドイツ・イタリアに8年程留学経験を持つ先生に出会い、レッスンを受ける希望があることを伝達。丁度いい具合に先生の住まいは私の利用する私鉄沿線にお住いと聞き、レッスンに通うには好都合でしたのでお願いすることとしました。
レッスンを受けるに際して先生には次の点を確認させて頂きました。
・私はプロデビューする訳でもないが、レッスンは手抜きせずに教えて ほしい
・私の心構えとして1年間は声楽の基礎である発声だけをお願いしたいこの点を約束し、週1回、月に4回のレッスンを開始しました。一年間は音程をつけてイー・エー・アー・オー・ウーの母音発声の練習を徹底しました。この基礎の練習がその後の歌唱に役立ちました。何事においても基礎は大切ですね。
10カ月経過したところで発生の基礎が出来上がってきましたので、それ以降は「コンコーネ50番」を利用して曲の歌いまわしのレッスンを始めました。この練習はその後の曲を歌うためには大変いい勉強になりました。
歌を歌うには「腹式呼吸」をマスターしなければなりません。喉声では長い曲を歌いますと後半には声が枯れてしまいます。そのためには「腹式呼吸」を身に付けなければいい歌は歌えません。「呼吸法を制すれば歌を制す」といわれております。「腹式呼吸」は健康にも良いですのでお勧めします。
聞いて頂く方の心に響く歌を歌うには「理性」と「感性」の両方が必要です。綺麗な声で丁寧に歌っているのですが、心に響かない歌い方をしている方が多いように見受けられます。これを解決するにはその歌の歌詞の内容をよく理解して歌うことが大切です。そうすれば「あの人の歌は上手だ!」と思われること間違いないと思います。