総合商社の子会社に移りファッション業界ブランドライセンスの道をまっしぐらに進んでいた、50歳を過ぎたころのことです。母方の祖母も曾祖母も100歳近くまで生きた長生き家系の私は、ふと、私も100歳まで生きそうだな、退職した後はどうやって残りの数十年の人生を過ごすのかな、とボーっと考えだしました。ある時主人に、私のこれから、何をやっていくのか、1.中小企業診断士としてもっと勉強して独立診断士になる。2.診断士では食べていけないので、お金になる資格、例えば社労士などの資格を取り直す。3.昔からの希望であったカウンセラーの資格をとりカウンセラーとして生きる。4.占い師になる。どれがいいと思う?と問いかけました。普段は、そんな話はスルーする主人ですが、翌日、私に真剣に言いました。「あんた、占い師がいいんじゃないの?」その一言で、私は占いの勉強を始めたのです。
はじめてみると、案外面白い。手相と、算命学を個人授業で習い始めました。それから、数年、今は主人の介護のため、会社を退職し、介護の傍らで、ディズニーランド前のショッピングモールの片隅で出演しております。(この業界では出演というのです。なんだか滑稽であまり使いたくないのですが)今となってはこの仕事は私の天職と思うくらいです。なぜなら、若い人達にどうどうと説教できるからです。(例えばカウンセラーは傾聴が基本なので、それは私には無理。)
占いなどというとなんだか胡散臭い感じがします。私自身、占いなど見てもらったことはほとんどないのです。しかし、何千年の過去から言い伝えられている、今も続く手相や算命学にはやはり、統計学的な根拠があるのかと思います。少しだけ説明いたします。
まず、4大基本線である、生命線、知能線、感情線、運命線、そして、基本の九つの丘が重要です。図をご覧になってご自分の手をじっとご覧ください。自分の手相をじっと見るということはなかなかありませんが、自分を知ることの大切さはこの仕事を始めて身に染みて感じます。手相では「線」は動くことがよくあります。その方の生き方や感じ方次第で線は動くのです。例えば、仕事に熱が入っているか、いないか、恋人や家族のことをどれほど熱心に思っているか、幸せを感じているか、お金が入ってくるか、などなどです。九つの「丘」にはそれぞれに丘の持つ意味があります。生命(健康)の丘、お金(財)の丘、幸せ(人気)の丘、運命(努力)の丘、自分(リーダー)の丘などです。「線」は動くことがありますが、「丘」は動きません。基本線のそれぞれがどの丘に向かっていくか、によって見ていきます。手相は嘘をつかないので、図星のことをいうことが多くあります。感情線が短めの若い女子大生に「あなた、男性から言い寄られたら、うざっと思うでしょ」などというと、「いえてるー。」となるし、運命線がぼちぼち途絶えがちな紳士に、「今までとっても頑張ってきたけど、今はなんだか、仕事に突っ走る感じではないでしょ?」というと、「なんでわかりますか?」となります。
それぞれの持っている運命をもとに、運命は変えられる、と説明しています。命を運ぶと書く「運命」は動かすことができるのです。そして、また、面白いことに手相を書き足すことによって、その方の運命を変える試みもあります。一度、試してみませんか?線を書き足してみてください。だまされたと思って。赤ペンで。どこにどういう線を描けばいいかは個別にお教えいたしましょう。
次回は算命学のお話をしようと思います。
写真出典 桑原良枝著 「手相でつくる幸せ」幻冬舎
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