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杉並の風
 
 鉄道研究会卒
宮崎 泰児 (S47経)
 
慶應義塾鉄道研究会(鉄研)は、会の創立1934年と、慶應義塾のサークルの中のみならず、大学鉄道研究会の中でも最古参の部類に入ります(鉄研HPより)。私は、中等部からずっと鉄道研究会に所属していました。中等部は模型部という名前でしたが。
日吉でも三田でも、教室でよりずっと長い時間を鉄研の部室で過ごしていました。○○学部卒ではなく、鉄道研究会卒と自認しております。
 鉄研のメンバーは、鉄道に乗るのが好きな「乗り鉄」、写真を撮るのが好きな「撮り鉄」、そして鉄道模型に大別されますが、私はバリバリの「撮り鉄」それもSLがメインです。最近では、「乗り鉄」の発展形で「飲み鉄」というのまであり、これには大いに興味をそそられますが。
自分でもなんでSLが好きになったのかは分かりません。むしろ、子供のころ、九州の母の実家に行くときに、すれ違うSLのボーツという汽笛が怖くて、ワンワン泣いていたくらいです。でも、いつの間にか、夏、冬の休みにはSLを追いかけて、主に九州、北海道を駆け回っていました。もちろん、夏は九州、冬が北海道です。
 SLは人間に最も近い機械と言われます。上り坂では苦しそうにボッボッと息(煙)を吐きますし、下り坂ではコトンコトンと軽快に疾走します。そんなところに魅力を感じたのかも知れません。
 SLに限りませんが、鉄道写真は腕にも運にも左右されることが多いのも魅力です。シャッターチャンスがちょっと早かったり遅かったり、また、ずっと晴れていたのにSLが通過するときにだけ雲がかかってしまったりと、失敗も多いのですが、逆に結果オーライもあり、難しくも楽しい撮影ジャンルと言えましょう。
 私が大学を卒業して3年後の1975年、日本のSLの営業運転は終了してしまいました。それもあってSL撮影はストップしていましたが、数年前にリタイアしてから、動態保存SLの撮影を再開しました。北から、釜石線(写真①)、磐越西線(写真②)、上越線、秩父鉄道、真岡鉄道、大井川鉄道、山口線(写真③)、肥薩線とあります。大井川鉄道を除いて、1年中運転しているわけではありませんが、運転日に訪問すると、懐かしい姿を見、音を聞き、香りを嗅ぐことができます。
 
     
 写真①
 写真②
 写真③
釜石線  磐越西線  山口線 
 
この中で、私が一番好きなのは写真④の肥薩線(熊本~人吉)を走る8620型です。大正時代に作られたSLで、現役最古参です。写真の子供が大きくなっても、元気に走っていて欲しいと願っています。 


追記:7月初めの集中豪雨により、この沿線地域で甚大な被害が発生しました。被災された方々には心からのお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復旧をお祈りしております。
 
 
写真④ 
 肥薩線(熊本~人吉)


 
 


 

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