日頃お付き合いで頂戴物をすると何かお返しを考えますが永い人生を振り返るとどうだろうか・・・家族から学校から友人からそして他人から・・・頂きっぱなしのままも有るのではないか。KWNはこうした思いを胸に秘めた塾卒業生達に依り2000年に設立された塾国際センター公認の在塾海外留学生支援団体です。その趣旨は『自分たち自身が海外に滞在した際に苦労して、現地の方に助けて頂いたことを今でも感謝しており、その代わりに日本に来た留学生をサポートすることで貢献したいと思い…』に在り、各キャンパスで学ぶ留学生達(約2000人)の日常生活・交流・勉学などを年間を通してサポートしています。留学生達の喜ぶ姿を見てこれを恩返しと思うも良し趣味とするも良しで人生余暇の過ごし方には色々ありです。今回はその活動ぶりの一端をご紹介しましょう。(*順で写真添付 クリックで拡大可)
私は2013年初頭に会員の香河郁世先輩(S31経・故人)から「2月の目黒雅叙園百段雛まつりの初回見学会用*に英文パンフレットを作成して…」とのご依頼で入会しました。次いで2015年には「武者小路千家東京官休庵のお茶室拝見用*にお茶事の概要について…も」と続きます。私も設立趣旨に同感し活動には勿論大賛成ですので格別の特技もありませんが諸行事には時々参加して留学生たちの話し相手を勤めます。本年1月の「初春お茶会とお雑煮会」には鶯の囀り(実録)・琴(宮城道雄演奏)・民謡(東北)のテープとラジカセを持参し雰囲気盛り上げに努めました。
さて、年間イベントは日本舞踊(国立劇場)・雛まつり展示(上述)などの日本伝統美学の鑑賞、神輿担ぎなどの季節行事参加、近郷史跡巡りなど、更に相互交流として好評のガーデンパーティ*(会員自宅開放・昨年は17か国30名参加・会員協力27名)・茶会*・浴衣着付け*・伝統工芸品製作(箸の絵付け*など)・和食・和菓子教室などを開催し、加えて日常生活密着型として生活用品/冬物衣類などの廉価バザー*(会員寄付のお皿など10円単位:売上げがKWN唯一の収入源…)が三田・日吉のキャンパスで開催されます。
本年はこれ等の一部を映像オンライン交流に切り替え、「バーチャル名所案内」(明治神宮・浜離宮・浅草など)、「七夕飾りと白玉あんこ団子作り」(7月)と「お月見とどら焼き(9月)」を、各留学生と会員の自宅(キッチン)を結んで実演指導し、留学生たちが和気あいあいと手作りを楽しみました。また今回新企画として「オンライン日本語講座」を開設したところなんと13か国19名の参加あり会員15人が分担して9月から開始しています。勿論会員の個人的時間を割いての無料講座。就職履歴書の書き方や面接などの思わぬ生活相談も飛び込んでくるのですよ!
KWNの特徴は、活動のすべてを会員(現在ほぼ100名の中から)の手作業・手弁当に依る直接奉仕で行い(ご立派)、私達の子供や孫にあたる年頃の留学生達(受付済登録者数約300名)に熟年OB・OGたちの温もりと励ましを陰に陽に届けて居ることです。彼らにそれを感じて貰えればその実りは更に将来に引き継がれてゆくことでしょう。以前KWNにしばしば参加してくれていた留学生の教え子が先生から聞いたと顔を出してくれるという、二代にわたっての交流もありで、会員一同は嬉しく誇らしくも感じています。在塾の留学生達が今の難局を何とか乗り越え初志通り勉学を全うし、満足感を以って日本から世界へ巣立って行くことに役立つことを願うものです。この機会にKWNを皆様の心の片隅に留めて頂ければ幸いです。
尚KWNのHPは「慶應義塾大学国際センター支援団体」から検索できます。
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