皆さんは『己書』(「おのれしょ」と読みます)をご存知でしょうか。
己書は2012年日本己書道場総師範の快晴軒 天晴先生(本名 杉浦正さん)により始められました。まさに読んで字のごとく、「自分だけの書」という意味です。
私が己書を知ったのは一冊の本でした。認知症専門医の長谷川嘉哉先生が書かれた『ノートを書くだけで脳がみるみる蘇る!』(宝島社)です。近年テレビを見ていて顔はわかるけど名前が出てこない、「あれ、なんだっけ?」というのは皆さんも経験されているのではないでしょうか。本書では、思い出せなかったことをメモ書きすることの重要性や箇条書きでもいいから日記をつけることがなぜ脳にとっていいのかが、著者が実践している様々な方法とともに書かれています。その中で著者も『己書』に興味を持たれた旨があり、私もネットで検索して最寄りの幸座(己書では講座を幸座といいます)に参加しました。
己書では、書き方や書き順などこうしなければいけないといった絶対的なルールはなく、筆ペンを使って自由に筆を走らせます。師範のお手本をベースに書き方、大きさ、書き順も自由なので、上手い・下手もありません。
また、文字を書くだけでなく、色々な絵の具の手法を駆使して絵も描きます。
小学生以来筆を握ったことがなくても、コツを掴めば描くことができ、字にコンプレックスを抱いていた人でも、「心地よく」描くことができます。
本来は対面で先生からアドバイスをもらいながら描きますが、コロナ禍ではZOOMでの講座でも受講できます。
人生の前向きになる言葉を、自分の心のまま素直に表現して書くことは、感情を司る脳の扁桃核を刺激して、認知症予防につながるのかもしれません。
ご興味ある方は是非一度試されたらいかがでしょうか。
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