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杉並の風
 
 武藤塾での恩返し
武藤 隆二郎 (S42 工)
 
私の趣味の一つがテニスである。 高校、大学、社会人、引退後のテニスを通じて多くの人達と繋がりが出来る事と健康維持が可能なこのスポーツは私の人生においては欠く事が出来ない趣味である。 私のテニス経歴は長いが未だに中流選手であり、杉並三田会のテニス部会にも私より上手な方も多い。
 入社後に入った研究所のテニス部では大学時代にテニス経験があるとの事から始めからB級に入れて貰ったが、レベルの高さに戸惑った。 同期入社のテニス愛好家は皆C級から始め、年に1回ある植村杯と言うシングルスで優勝、準優勝するとB級に昇格し、B級の優勝者がA級に昇格し、A級の優勝者がチャンピオンに挑戦出来ると言うシステムだった。 C級から始めた同期生は皆B級でも優勝して毎年A級に進んで行ったが、私は万年B級で終わってしまった位の実力でしかない。
 しかし、大学時代のオーソドックスの基礎練習、会社時代の多くの先輩からテニスの基本はしっかり教わったが、中々身に付けるのは難しい事は良く理解している。
 もう12年前に杉並三田会のテニス部会に入会したが、幅広い腕前の人達が集ってテニスを楽しむ事が出来る素晴らしい会に入れてよかったと感じたものである。 
何回か通っている内に基礎練習の経験がない方がかなりおられ、独自のフォームで球を追いかけて経験者達との試合ではその実力差はいかんともし難く、このまま続けていても試合を楽しむ事が出来るまでかなり時間がかかるのではないかと感じた。 そこで10年近く前に2,3人の初心者の方をお誘いして壁打ちコートで基本的なフォームを教えていたら、どんどん人が増えて10人近くになり、試合コートの人数が不足する事態が発生してしまった為、 当番をしていた幹事さんから「こんなに練習希望者が多いなら、コートを使って練習会をして下さい」と言われたのが「武藤塾」の始まりである。 その後は私が参加出来時、練習希望者が一定以上いる場合には2時間は武藤塾を開催して既に10年近くにもなる。
 基礎訓練を受けた経験がない方は向かってくるボールに正面で迎え、腕だけでラケットを振って返そうとする傾向がある。 良いボールを打つコツは肩の向きをネットに直角近くにする様にし、相手が打った瞬間にラケットを引きながら打てる位置に速やかに移動し、腰の高さの球を体の回転を利用した大きなスイングで少し体から離れた所でボールを捉え、ラケットを前に押しながら高く振り抜くと言う事だが、これを身に付ける事が難しい。
 私はネット近くから相手コートにボールを出来るだけ打ち易い所に出し続け、生徒さん達が返球して来たボールをボレーで返して繰り返し繰り返し行って練習をして貰う。
 試合が上手くなるもう一つの技はボレーである。 人は本能的に飛んで来るボールを自分のラケットを振って当てに行くが、ボールの軌道とラケットの軌道が一致する確率は低い為、なかなか上手く返せない。 上達のコツはラケットをボールが飛んで来ると予想される位置にネットと平行に構えて固定してラケットの中心付近でお迎えして当ててから押す事が重要で、自分も長い年月をかけて漸く身に付けられた位だから教わって直ぐに出来るのは難しい。
 それが出来るまで何回も何回も繰り返して貰っている。  
武藤塾には毎回5~10名の方達に参加して貰っているが最後の30分程はゲーム方式での練習で6回サーブをして実践プレイをして貰い、都度良かったところと改善点を指摘してあげ、直後に理解して貰っている。
 「人に教える事は自分が学ぶ事」の名言の通り、武藤塾を始めたお陰で私自身が限りなくボレーで返球するのでボレーの球さばきが上達出来たメリットも非常に大きい。
 生徒さん達から「今までよりも鋭いストロークが打てる様になった」、「ボレー合戦が出来て試合が面白くなり楽しさが増した」等と言う感想を聞いたり、武藤塾以外の方達から「武藤塾の生徒さん達は最近うまくなったね~」と言う言葉を聞くと自分の事以上に嬉しくなる。
 自分のテニスの技量が上がるより、多くのテニス愛好家達のテニスのレベルが上達して楽しんで頂ける様になる事にお手伝いをさせて貰っている事に幸せを感じているし、日頃杉並三田会の多くの分科会に参加させて楽しませて頂いている事に対しての恩返しが少しは出来ているのかとも思う。
 杉並三田会の他に2つのグループでも武藤塾を開催しており、多くの方達のレベル向上にお役に立てる事もしている。
 読者の皆様の中で日頃テニスを嗜んでいるが、もう少し上達してプレイを楽しみたい方がおられましたら、どうぞSMTCの武藤塾にも参加してみては如何でしょうか?  お待ちしています。
人が喜ぶ事をする事が出来る事は自分の幸せになる事を実感し、毎回教えさせて貰える事に感謝をしているし、今後も出来るだけ長く続けて行きたい。
 
 



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