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オーストラリアの空をグライダーで飛ぶ
榊田 カナコ(S40経)
私がグライダーを知ったのは大学に入学した時です。グライダーがどんなものかわからずただ大空を飛べるからと、のこのこと当時航空部の練習場であった藤沢の飛行場に友人のあとについていったのがその始まりです。それからグライダーの魅力にとりつかれました。4年間グライダーを通して知り合った先輩や友人とのお付き合いは今でも続いていて、私の大切な仲間です。

同期で卒業以来航空部のコーチをしている友人から、昨年と今年の1月、オーストラリアでグライダーに乗せてあげるからと誘われました。そこはオーストラリアのナロマインというところです。シドニーから小型の飛行機で1時間飛んで内陸部に入り、ダボという飛行場から車でまた1時間、オーストラリアの砂漠の入り口にある小さな町です。昨年は終日雨の日が多く、今年は一転して熱波に襲われて猛烈な暑さでした。山火事は日本のニュースでもずいぶん大きく報じられていましたが、最近の異常気象を肌で感じてきました。

ナロマインには立派な飛行場があり、そこでグライダークラブがいくつか運営されています。飛行場に出てみると見渡す限り乾燥した草地が広がり、360度地平線が見えます。上空に上がると灌漑をして青く見える農地もところどころに見え、日本の景色とは全く違います。あまりにも広大なので距離感覚がつかめません。


ここではグライダーは軽飛行機に曳航され高度約600mまで上げてもらいますが、その後はグライダーの一人旅になります。翼幅は約17m、とても洗練された美しい形をしていて風を切る音がするだけで本当に鳥になった気持ちになります。上昇気流を見つけては高度を上げていきますが、私は誘ってくれた友人の操縦で約2100mまで上がり、雲の下(雲底)まで連れていってもらいました。雲の下は言葉で表現できないほど非常に幻想的な感じで、生まれて初めての体験です。1回の飛行時間は約2時間。エンジンがなくても気象条件と技術があれば、長時間飛行できるのです。あっという間の1週間でしたが、また、機会があればまたぜひ行きたいと思っています。

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