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杉並の風Ⅱ

ヴィエントに入れて
松井 茂樹(S45経)
「私はヴィエントに入れていただき毎回楽しく歌わせてもらっています。ある時杖道の稽古道具を持ってヴィエントに参加した為、これを見た丸山さんから杖道について書く様お達しが在りました。私はまだ杖道をやり始めて3年ほどなので正確にも詳しくも書けませんので自分にとってどのように楽しいのかという事を御披露する事にいたします。


私が稽古しているのは神道夢想流という流派です。杖道はほとんどこの流派だと思います。古武道の一つで型武道です。つまり一つひとつの型を習得していく事によって次第に其の武道全体を身に付けていこうとするものです。神道夢想流は宮本武蔵の二刀流に勝つ為に編み出したという由来から稽古は太刀を相手にして行っています。杖は、樫の木で出来ており、長さは約1メートル27センチ、背丈にすれば肩の下くらいの長さ、直径約2センチの丸い棒です。杖は、太刀よりも約26センチ長いのです。この差をうまく使って樫の木に過ぎない杖で刃物である太刀に勝とうというのです。
 

杖は基本的に先に攻撃はしません。「後の先」といわれています。ですから太刀の先制攻撃を待ち、あるいは誘い、これをかわしたり杖でさばいたりする事になります。一足一刀で切ってきた太刀がかわされ、或いはさばかれた時の状態を今度は杖が攻めるのです。太刀は刃物ですから持っているその人さえ触れば危険です。そのために太刀には柄があります。柄を握っているという事もその人自身への制約になると思います。これに対して杖の方は刃が付いていませんからどこを握っても安全です。また、杖の方は前後がありません。いまにぎっていた杖尻が「打つ」事により杖先になります。このような杖の利点、太刀の制約、相手との間合いや体の使い方を工夫の中に入れて稽古をするのが楽しいと感じている所以です。



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