大河 揚子江の河口
倉岡 英雄 (S37商) |
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あの広大な中国大陸を悠々と流れる大河 揚子江(中国では長江と言う)を日本人で知らない人はまずいないだろうと思います。
しかしその河口を見に行った人は意外に少ないのではないでしょうか。
上海を訪れる人は非常に多いし 三峡ダム下りを楽しまれた方も結構おられることと思いますが 揚子江の河口を見た人は少ない。 |
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かく言う私も中国へは1990年以降何十回と訪中しているものの揚子江の河口を見たのは昨年が初めてでした。
昨年上海万博見物がてら約1週間上海に滞在致しましたので 旅行会社のガイドの方とタクシーを丸一日チャーターして出掛けました。
中国のタクシーが日本では考えられない位安いのはご存知の方も多いと思いますが丸一日10時間ほどチャーターして300キロ程走りましたが1000元でOKでした 1元13~14円ですから非常に安い。
上海市の真ん中を 黄浦江(ふあんぷちゃんと発音)がゆったりと流れているものですから初めて中国へ行かれる方はこれを揚子江と勘違いされる向きも間々あります。
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日本の友人に揚子江河口の川幅を質問して見ますと実に様々な返事が返って来まして正確に言われた方は先ずいませんでした。
2キロ、3キロから20キロ、30キロがせいぜいで 日本の河を見慣れている我々には想像出来ない大きさなのです。
例えば 30キロと言えば東京から横浜当りまであの茶褐色の濁流が流れているなんて想像が付かないのです。
正解は約80キロです大き過ぎてピンと来ません。 東京から小田原当りまでの距離です。多摩川、相模川、酒匂川等日本では、まあまあの河が有りますが揚子江から見れば小川な様なものです。
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そして私がもっと驚いたのはその河口にこれも日本ではとても想像出来ない とてつもなく大きな中洲が有ったのです。
巾20キロ長さ100キロも有ります。中国では台湾島、海南島に次いで3番目の大きな面積を持つ島で名前を崇明島(すんみんとう)と言います。行政は上海市崇明県です。
従来はこの島へ行くにはフェリーで濁流を渡るしか無かったのですが、1年半ほど前ここに橋とトンネルが開通し上海市中心部から車で一時間もあれば行ける様になったのです。
中洲の島ですから山もなく丘陵もありませんいわゆる真平で空き地がやたらと目に付きました。 農耕地としても良いようで私が見たのは見渡す限りの麦畑とアスパラガスのビニールハウスでした。 アスパラガスは万博会場のレストランに提供するとか。
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その他魚の養殖、植林、花卉類等地面が平らで水も有りますから何でも出来るのでしょう。
又上海市内から車で簡単に行ける様に成った為 道路わきにずらりと別荘建築中でした。現時点で約70万人が住んで居ると聞きましたが あと100万、200万人位 移住して来てもまだガラガラと言った所ではないでしょうか。
私見ですが 中国は全体として降雨少なく西部は砂漠ですし大連、北京と言った大都市も何時も水不足に悩まされています。
しかしこの崇明島には水もあり耕作地もあり気温も東京と同じくそれ程暑くなく寒くなくて人間が住むには良いところではと思われ、後は多くの人が住む為のインフラ整備が整えば非常に多くの人が此処へやって来るのではと思料致しました。 |