Mexico 色・彩り・採り
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臼杵 千依(H09環境)
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Mexico第2の都市、古都Guadalajaraに駐在して早1年半。当初はどういうわけか身の回りで不幸ばかりが続き悪循環に陥っていた私でしたが、そんなときに元気付けてくれたのは、なんといってもMexicoのカラフルで鮮やか、且つエネルギー溢れるパワフルな色たちでした。
抜けるようなスカイブルーの空、春にはハカランダの藤色が通りを埋め尽くし、エメラルドグリーンのカリブ海と黄色い砂が絶妙なコントラストを見せるー。
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ブーゲンビリアとの色合いがまぶしい
Jalisco州Chapala湖沿いの民家
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そして咲き乱れるブーゲンビリアのピンクこそはRosa Mexicanaと呼ばれるMexicoの代表色。
日本の街中に突如現れれば苦情が出かねない主張の強い取合せですが、ここMexicoの空の下でみるとこれがなんとも自然に景観に同化してエネルギーをふりまいてくれるものだから、半年の内には私の塞いだ気分もすっかり回復していたのでした。
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先住民、Huichol族の 民芸品バザー |
南西部Oaxaca州の民族舞踊衣装 |
中部Queretaroの
まちを彩る靴屋さん
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メキシコの著名な近代建築家ルイス・バラガンの色使いも、白・ピンク・赤・赤錆・黄色・藤色などを多用しており聞いただけでは統一性のないものを想像しがちですが、バラガン初めメキシコ人はこれらを実にうまく組み合わせて配置し、ベスト・バランスを保った色彩を施すセンスを生まれ持っています。
しかしこれだけの色を自在に操れたのにはやはり理由があり、バラガンは上記の色以外は決して塗らなかったといいます。これらの色は全てすでにメキシコの自然と文化に帰属する土着の色彩なのであり、比較的詳細な分析的過程を経て熟考を重ねた彼が結果得た答えは、メキシコの風土から得られた直感的色彩だったのでした。
だからこそ、奇抜と思われがちな色合いもメキシコの都市には何の翻訳も必要とせず自然に馴染んでいきましたし、またバラガンの自宅として製作者である彼のエネルギーの源となったのかもしれません。
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Guadalajara内にあるバラガン建築の
ひとつ、ゴンザレス・ルナ邸
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Mexicoの自然エネルギーをそのまま投影したこれらの色たちは現代でもそこに暮らす我々に途方もないエネルギーを供給し続けていて、私が無事元気を取り戻せたのも本当にその風土の強いパワーを受けてのものだったのです。 |
パワーストーンじゃないですが色が与えてくれるエネルギーの強さを目の当たりにしたこの1年半。
今後もまだまだ私を力づけてくれるメキシカン・スピリットを探求し続けて行きたいと思います。
皆様もぜひ、晴れた青空と太陽のエネルギーにパワーをもらいに来てみてください。
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