三田会に救われた一つの命 |
竹井和世(49文) |
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思えば物心着いた時から、私の生活はいつも犬と一緒だつた。
最初の記憶は3歳の頃いた秋田犬で、自分の数倍もある犬と毎日庭で走り回って遊んでいた。
その後も柴犬、雑種、甲斐犬と、時には重複して常に私のそばには犬がいた。
そのせいか大の日本犬好きの私は、結婚後マンションにいた数年以外ずっと犬を飼つている。 |
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そして今いるのが柴犬の雄ロッキー君。日本犬なのに、子供達の強い希望でこの名がついた。
強そうな名前とは裏腹に人懐こく、いつも来る宅配のお兄さんや近所の子供達にもすっかりなつき可愛がられていて、番犬には程遠い存在だ。 |
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子供の頃、初めてのお手! |
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ご近所のはなしでは、、私が外出中はずっと門の外を見つめ、うちにいる時はずっと玄関を見ているらしい。これでは居留守も使えない。
犬の能力は凄く、あの三陸沖地震も、あの日は朝から興奮していてグルグル回り続け、どうしたのだろうと言っていた矢先だった。 |
2頭で散歩していたころ
決して先輩犬の前を歩かなかった。 |
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そんなロッキーもおんとし14才。目も耳も衰え、すっかり吠えなくなった彼が、ある日突然、、
お腹の底から絞り出す様な声で「ワン」とひと吠え。気になって外に出てみると、犬小屋の横で倒れていて、声掛けにも反応ななく呼吸も確認出来ない状態だつた。死がこんなに突然くるものかと動揺しながらもふと、以前参加した三田会の救命講習会での心臓蘇生術を思い出し、ただ夢中で心臓マッサージを繰り返した。何分経っただろうか。ロッキーがそつと目を開きゆっくりと立ち上がった時は、今度はこちらの心臓が止まりそうなくらい驚いた。 |
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最近のロッキー
老犬もかわいいものです ♡ |
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すぐ獣医に診てもらうと、肝臓の数値が異常に高いのと高熱の為気絶状態に陥ったらしく、誰もいなければ危なかったとか。あの渾身の一吠えは、私を呼んだのだろうか?
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今は治療の甲斐もあり元気を取り戻しているが、これも三田会のおかげと感謝せずにはいられない。
そして今日も五月の暖かい日差しの中、時には電柱にぶつかりそうになりながら、溝に足を取られながら、トボトボと散歩をしているロッキーである。 |
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